新刊『教養としてのゲーム史』発売されました

ほぼ2年がかりで書いていた『教養としてのゲーム史』がやっと出版されました! Amazonでは8月8日発売となってますが、書店に並ぶまでに2〜3日かかるようです。

教養としてのゲーム史 (ちくま新書)

教養としてのゲーム史 (ちくま新書)


まだ書影さえAmazonにアップされてませんでしたが(なので自分でアップしたよ!)こんな感じ、ということで目次の紹介です。

教養としてのゲーム史【目次】

はじめに  

第1章 固定画面の中で――ビデオゲームの誕生と連鎖するアイディア
ポン・クローンの感染爆発/『ブレイクアウト』から始まった「ひとり遊び」/『スペースインベーダー』の“敵”を出現させた「ハードとソフトの分離」/『ギャラクシアン』はゲーム機の教科書/「ハード」と「ソフト」が噛み合った『ギャラガ』/「カーレース」と「迷路」の橋渡しをした『ヘッドオン』/『平安京エイリアン』の“地形”が戦略を豊かにする/「女性向け」をねらった『パックマン』/モンスターの個性とパワーエサという発明/マリオがジャンプ!『ドンキーコング』という革命/「不自由」がゲームを豊かにする/マリオのジャンプは「キャズム」を超えた? /「タル面」はジャンプゲームの入門編/アスレチックとアクションパズルを統合した「ジャンプ」/実は大ヒット作?『マリオブラザーズ』/2ステップ方式の奥深さ/協力するか、それとも裏切るか? /「ゼロサム」と「非ゼロサム」のごった煮/『スマブラ』で失われた「裏切り」
 
第2章 スクロールが生み出す世界――『スクランブル』『ゼビウス』から『スーパーマリオブラザーズ』へ
固定画面からスクロール方式へ/『スクランブル』と「地形」の誕生/スクロールによって“広さ”を得た『ゼビウス』/ナスカの地上絵と隠れキャラが『ドラクエ』の元祖? /『ゼビウス』のストーリー性は都市伝説まで生んだ/スクロールが「世界観」定着のきっかけ/『スーパーマリオ』に先がけた『パックランド』/業務用ゲームと家庭用ゲームの違い/業務用ゲームと家庭用ゲームとの分岐点/『スーパーマリオ』の「狭さ」は「箱庭」に進化

第3章 RPGと想像力のデザイン――『ゼルダ』の完成度、『ドラゴンクエスト』の凄さ
「デジタルの冒険」の原点にあるTRPG/『D&D』から生まれた『ZORK』と『ウィザードリィ』/『ウルティマ』が業務用とパソコンゲームの壁に風穴を開けた/経験値→アイテムに変えた『ドルアーガの塔』の革命/メーカー参入の敷居を下げた『ハイドライド』/『ゼルダの伝説』はなぜ「アクションアドベンチャー」なのか/箱庭ゲームは「広げる」より「閉ざす」/縮み志向の箱庭ゲーム/「冒険」を「観光ツアー」にした『ドラクエ』/プレイヤーが迷わない「一本道」への転換/ストーリーを語り始めた『ドラクエ』/『ドラクエ』はRPG版少年ジャンプ? /「しんでしまうとはなにごとだ!」という優しさ/マルチウィンドウはマンガの吹きだし/コマンド選択式というチャレンジ/三つの想像力を“編集”した『ドラクエ』/ハードの制約と停滞が進歩を生むパラドックス

第4章 シミュレーションと欲望――『信長の野望』から『ラブプラス』まで
シミュレーションは現実をクソゲーにする?/国産SLGは「大人の武将ごっこ」から始まった/大人向けニーズが育てた『信長の野望』/「欲望」に重点が置かれる国内SLG/「シミュレーション」は複雑さ、「SLG」は単純さをめざす/競馬と競馬ファンの垣根を取り払った『ダビスタ』/SLGのモデルは「こうあって欲しい現実」/アニメ絵×育成SLG=『プリンセスメーカー』/アニメ絵がゲームを進化させる/『プリメ』によるアニメ絵ゲームの大衆化/18禁ゲームと恋愛ゲームとの距離/ストーリー性を得た『同級生』/自分が自分を育てる『ときめきメモリアル』/ワールドシミュレータとしての『ときメモ』/CD‐ROMを一杯にしたサブイベントの豊富さ/『ときメモ』の成功ゆえのSLGの停滞/「熟成」と「飽き」の綱引き/ラストサムライだった『ときメモ』/重厚長大の枷から逃れた『ラブプラス』/「時間」がリアルとゲームを重ねあわせる/「同期」と「非同期」がゲームを豊かにする/『どうぶつの森』における「同期」と「非同期」の進化/『ニンテンドッグス』が開いた「ふれあい」の扉/銀河の果てまで広がる恋愛SLG空間

おわりに
登場ゲーム作品略年表

スペースインベーダー』から『ラブプラス』までのゲーム進化論は前例がなかったと自負しております。
前著『日本を変えた10大ゲーム機』の事実上の続編でもありますので、そちらを読まれた方々もよろしくお願いします!