モバイル原稿の書き方(そのいち)

なんでもかんでも一つの機器で間に合わせようとする人がいます。電車の中でノートPCを片手で支えて指一本でタイプしたり、iPhoneBluetoothでキーボードをつないで狭い画面で長文を書こうとしたり。
 でも、それは無理がある。ケータイは歩いているとき、iPadとかタブレットは座ってWEBやデータをゆっくり見たいとき、ノートPCは喫茶店とか場所の取れる場所で開くもの。いくつかのデバイスを持ち歩いて、その場に応じていちばん使いやすいものを取り出すのが、結局のところは効率がいいんです。
 去年リメイクされた『電人ザボーガー』でも、ザボーガーはバイクに変形して走ったり、頭から小さなヘリを飛ばして空から偵察したり、両足や背中からラジコンを飛ばして潜入捜査させたりしてます。いくつものガジェットを、TPOに合わせて使い分けるザボーガーは元祖モバイラーだ!

 そんなわけで(対象となるのは“もの書き”の人に限られちゃいますが)外でテキストや原稿を書きたい人にはコレ!という三点セットとキラーアプリは次の通り。

1.iPhone
ケータイサイズで対応アプリの豊富さでいえば、やっぱりAndroidiPhoneにはかなわない。いろんな状況や様々な機器とのリンクを想定したアプリがずらりとそろってます。

主なアプリ:

Dropboxに仕事用のファイルを置いてる人は、いの一番にコレ。さっきまでPCでカリカリ書いていた原稿が、すぐにiPhoneで編集できる喜び! いや仕事が出先まで付いてくるのはどうよとも思いますが、〆切まで時間がないときは「どこでもオフィス」になるので重宝してます。

Textforceの弱点を補うアプリ。あちらが苦手なページレイアウトやら縦書きやら、原稿の体裁を整える便利な機能があります。Textforceともども、メモ帳+漢字変換アプリの「ATOK PAD」と連携できたりもします……が、PC版ATOKよりも変換がおばかな感じがしてお勧めできないかも。

2.Androidタブレット
7インチ〜10インチのサイズになると、Apple製品とAndroidとの「テキスト書きに役立つ」度はガラリと逆転。iPad(2)はフリック入力がなく、フルキーボードでぽちぽちと入力する以外の選択肢はナシ。Google日本語入力ATOKなど、いろんな日本語入力方法に替えられるAndroidの圧勝でしょう。

主なアプリ:

Androidの“共有”機能のおかげで、Dropbox上のファイルをどのアプリで開くか選ぶことができていい感じです。とはいえ、たまーに変更が元のファイルに反映されてない気が……。

100万字までのファイルに対応(モバイルでそんなに書けねーよ!)、文字コードの自動判別や、保存するコードの種類を指定できたりと至れり尽くせり。つまりMacintoshだろうがWindowsだろうが、文字化けの心配がないってことです。アップデートもこまめで、最強のAndroidテキストエディタの一つでしょう。

日本語入力アプリのツートップとして、どちらでもお好きな方で。Googleの方は無料、ATOKは安心のブランドということで。MacWindowsでもATOKを使っているなら、10台まで月額300円で使えてアップデートも出来る「ATOK Passport」を選んだほうがよいかも。

3.ポメラ
ネットにも繋がらずWebも見られない、潔いほどに「原稿しか書けない」テキストマシンのポメラ。バリエーションはあれこれありますが、やはり最上位機種のDM100一択でしょう。前の機種と違って折りたたみできなくなりましたが、キーボードの安定性と打ちやすさは、ノートPCにも遜色なくてピカイチ。長年の実績ある日本語入力システム・ATOKを搭載していて、変換にいらつくこともありません。

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック

主な特徴:

  • ATOKのPC辞書取込

いつも愛用している辞書がモバイルで持ち歩ける! 僕にとってのキラー機能でしたが、辞書を育てすぎてサイズがデカいと、単語の取りこぼしも多少あります。

USBでつなぐと、SDカードやUSBメモリと同じ感覚でファイルにアクセスできます。Bluetooth経由もできるものの、いったんダウンロードしてから……ってことで少し微妙かも。

  • 国語/英和/和英辞典が付いてくる

それぞれ明鏡国語辞典MX、ジーニアス英和辞典MX、ジーニアス和英辞典MXがワンタッチで呼び出せます。ネットでよそ見しなくていいですね!

今回はここまで。次回は、各デバイスの組み合わせについて説明します。